やさしいお姉ちゃんと眠れないこども

「黒い人が来るよー!」
「きっと誰かさんが寝ないせいね!ほーら、早く寝ないと、真っ黒さんが来ちゃうぞー!」
「きゃー!」
 
「黒い人が来るの……」
「じゃあ早く寝なさい」
「違うの、黒い人が来るから、私は起きてないといけないの……」
 
「気味の悪い子。さっさと寝てくれないと、あなたに会えないわ」
「本当に気味が悪いな」
 
「私、気付いちゃったの。黒い人が、お姉ちゃんを見てるって。だから、私は……」
 
子どもは目を開けたまま亡くなっていた。
可哀想に思ったオトナが、彼女の目を閉じた。


その時、やさしいお姉ちゃんは、