太陽、街、セロハン
娘の中学の美術の授業でステンドグラスを作ることになったそうだ。
ステンドグラスとはいえ、もっと簡易なもので、黒い大きな画用紙を切り取り、間に色の付いたセロハンを貼るというものらしい。
12月のマーケットに飾る予定だったのもあり、大抵のクラスメイトはクリスマスをイメージするものを作っていたそうだ。
そんな中、我が娘は四角の沢山並んだカラフルな作品を作った。
私が親であることを除いてもとても綺麗であることを娘に伝えて褒めたが、残念ながらマーケットに飾られることはなかった。
みんなに笑われたと泣きじゃくる娘の頭を撫でながら、何を描いたのかと聞いてみたところ、どうやら娘の目に映る街を描いたらしい。
なるほど、私が飽きてしまう程住んだこの街は、娘を笑った人々の住む街は、娘の目にはこの様に美しく映っているらしい。
そんな娘の気持ちを誇らしく思う。
先生やクラスメイト達が指を指して笑った娘の作品は今、私の部屋で太陽の光を沢山吸い込み、暖かな気持ちをくれている。