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冬の終わりに君は哭く(仮)

冬の終わりに君は哭く(仮)2

冬を殺すのは案外簡単だった。 雪の降る早朝。まだ明るくなりきらないその時間に、彼女を海に連れ出す。まとわりつく冬も楽しそうだ。今だけは許してあげる。冷えた彼女の手を引けば、とても楽しそうに着いて来て、2人で服が汚れるのも構わず寄り添って砂浜…

冬の終わりに君は哭く(仮)

少し歩こうか。白い息と共にそう言った彼女の背に、髪の長い女が垂れかかる。あれは冬だ。彼女を連れていこうとする、綺麗な魔の遺物。世界が終わり、また生まれたというのに、たったひと欠片遺ってしまった異物。冬は気に入った者を1人選んでは、雪の向こう…